IELTSリスニング勉強法について:
ディクテーションの効果的方法
ディクテーションの有効性、
それは全文確実に聴き取れるようになるためのステップです。
ここでいうディクテーションは「全文書き取り」のことです。
ディクテーション(書き取り)と聞いて「ああ、音声を聴いてわかったところを書き取るのか」と思われる方もいるかもしれませんが、ここでいうディクテーションは「全文書き取り」のことです。
「たぶんこうだろう」であやふやなまま次に進んではいけません。聞き取るという行為に思考が捕らわれていては内容を理解して問題を解くことは難しいわけですから、全文を楽に聞き取れるようになるために、このディクテーションが何より必要なのです。
例外として、完璧に聞き取れたという確信があるなら書き取らなくてもよいですが、そのときもスクリプトとの照合はちゃんと行ってください。
ディクテーションの効果的方法
世の中には英語を学んでいる人は数多くいます。中には、ディクテーションは効率が悪い学習法だと言う人もいるでしょう。
その主張にも一理あります。日常英会話を学ぶのであれば、相手の話が聞き取れなければ「失礼ですがもう一度お願いします」(I
beg your pardon?)もしくは「少しゆっくり話してくださいますか」(Could you speak more slowly?)と聞き返せばよいわけです。
しかし、IELTSで同じことはできません。
皆さんは親切な英会話学校の教師と会話するのではなく、一方的に話される大学レベルの早口の英語一度聞いて理解しなければならないのです。聞き取ることに手一杯のようでは、内容を理解して記憶することができないのは当たり前のことです。
人によっては「メモをとっても見返したときには内容を覚えていない」なんてことがあるかもしれません。これには科学的に証明されている理由があって、例えばリスニングが得意でない方が英語を聞いている状態は、メモリが少ないコンピューターで複数のアプリケーションを同時に動かすようなものなのです。
要するに「英語を聞き取る」という作業が膨大なメモリを消費するタスクであるため、「内容を理解・記憶する」という作業に充てるメモリが少ない、もしくはほとんどないということになっているわけです。
焦ったときのことをよく「頭が真っ白になる」と表現しますが、コンピューターに例えればまさに「フリーズ状態」だといえます。選択肢のあるリスニングセクションなら、少なくとも答えることはできます。しかし、スピーキング・ライティングセクションでフリーズしてしまったら……試験結果がどのようなものになるかは、もはや自明でしょう。
では、試験中に「フリーズ」しないためにはどうすればどうすべきか。一番わかりやすく、かつ実際的なのは、「英語を聞き取る」という作業にメモリを使わせないことです。つまり、深く考え込まなくてもリスニングをこなせるようにして、空いた分を内容の把握に充てればいいわけです。そして、そのためのトレーニングが過去問のディクテーションなのです。
またIELTSの学習法では、「聞き流すだけで○○点アップ!」のような売り文句のものがありますが、そんな学習法が正しくないのは明らかです。
頭が柔らかく好奇心の塊のような幼児でさえ、言語は聞いて、話して、触れ合って、時には失敗しながら覚えていくものです。それを、大人の私たちが聞くだけですらすら覚えられるようになるでしょうか。
しかも、IELTSの英語というのは聞き流してすんなり頭に入ってくるほどヤワなものではありません。もし、本当に聞き流してIELTSに通用する英語を身に付けたという方がいらっしゃるのであれば、その人はもともと相応の英語力があったのでしょう。皆さんはそんな誘惑に惑わされることなく、地道ながら確実な方法を選んでください。
そのためにディクテーションは非常に地道ですが確実に効果が出来るプラクティスです。次にこのディクテーションの正しいやり方を解説していきます。
具体的なディクテーションの方法
正しいディクテーションは反復して練習することが重要ですが、下記の流れで繰り返すことが非常に重要となります。
@ 区切って何度も聞く
↓
A 聞き取れた部分をできるだけ書く
↓
B 再度区切って何度も聞く
↓
C @〜Bを繰り返す
↓
D これ以上聞いても書けないというところまで繰り返す
↓
E スクリプトで確かめて訂正する
という流れを繰り返すことになります。区切る位置に関しては、最初は一文ごと、慣れたら大体流れが切れるところまで、楽に聞き取れるようになったら終わりまでと、自分の成長に応じて変えていきます。
【使用教材について】
ディクテーションに使う道具についても気になるところだと思います。スクリプトが載っているテキストの他に必要なのは「聞く」ための再生機器と「書く」ための筆記用具(機器)です。
これは過去問題に付属しているCDと、パソコンを使用して下さい(もちろんIELTS対策の場合は手書きでも構いません)。
ただ使用される教材は必ずIELTSも問題形式になっているものに限って下さい。例えば英語のラジオや映画やドラマ、各種IELTS以外の教材などは使用されないことをお勧め致します。
ただでさえ非常に専門性の高いテストなうえ、皆さんは英会話を学んでいる方と異なりスコア取得までのデットラインがあります。そのためリスニング力の底上げをしている時間はありません。目標スコア取得まで最短距離で進む努力をしていく必要があります。
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